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column:五輪エンブレム 2015 年 8 月 30 日 日曜日

こんにちは、キムラケイゴです。

問題が続出している五輪エンブレムについて書いてみたいと思います。

まず、最初の盗作騒動だけならシンプルなデザインなら似ることもあるし、ある程度仕方ないかなと思いました。ただ本来なら似ているものが他にないようなデザインを生み出すべきですし、選考委員もそういうものを選ぶべきという観点からむしろ選んだ方に責任があるのではないかとも思いました。

そしてサントリーのトートバッグ盗作騒動が起きました。
これはデザイナーとして致命的、最低最悪の事件でした。
この時点で五輪エンブレム問題は新たな段階に入ったと思います。
つまり、エンブレムが盗作かどうかという問題から、盗作するようなデザイナーのデザインを使っていいのか、という問題です。
答えはNOだと思うのですが、いまだに撤回する様子は見られません。



エンブレムをデザインという観点から見てみたいと思います。


これは亀倉雄策氏の前回の東京五輪のエンブレムです。
デザインの教科書には必ず載っている名作中の名作です。

今見ても全く素晴らしい、そして恐ろしいデザインです。
ここまで思い切ったことをしてもいいのか、という畏怖の念すら抱かせるデザインです。

赤丸を極限まで大きく配置しているというのがこのデザインの肝であり、他には絶対ないだろうと思わせるオリジナリティの部分です。
普通の感覚だとあまりに大きすぎるしバランスが悪すぎる、という意見が出そうですが、あえてこうすることによりオリンピックの圧倒的な力強さ、迫力、躍動感、を表現しているそうです。
また通常なら五色の五輪のマークをあえて一色にすることによって赤丸を際立たせています。この赤丸はもちろん日の丸の意味もありますが、燃えたぎる炎、をも表しています。

これと比べると今回の五輪エンブレムがいかに表面的で躍動感にかけるか、ということがわかると思います。特に原案はひどいですね。けん玉大会のエンブレムだったらちょうどいいのかもしれませんが。。

エンブレムにとって一つ重要な要素はメッセージ性であり、例えば亀倉氏のデザインはパっと見ただけでスポーツの躍動感、ダイナミックさが伝わります。
それにひきかえ今回の五輪エンブレムはこのメッセージ性が圧倒的に不足しています。佐野氏はTOKYOのT、TEAMのTなどと言っていましたが、それは説明があって伝わることで、その理論ならTOILETのT、TIGERSのTでも何でも当てはまるということになります。パっと見てそこからメッセ−ジが伝わらないとダメだそうです。



こちらは私の好きなバルセロナ五輪のエンブレムです。
シンプルながら躍動感が伝わり、さらにバルセロナ出身の画家ミロの画風も取り入れているような感じです。



これも亀倉氏の東京五輪用ポスターです。

こちらも名作中の名作です。
何枚か写真をとり、その中で全員の顔が奇跡的に写っているこの一枚を採用したそうです。
素晴らしすぎます。

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