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檀一雄「火宅の人」 2011 年 9 月 27 日 火曜日

今さらながら檀一雄の「火宅の人」を読みました。
名作と言われているので本好きの人なら読んだことがあるとは思いますが
私はなぜか今まで縁がありませんでした。
おそらくその難解なタイトルを敬遠していたのだと思います。
火宅とは仏教用語で「煩悩(ぼんのう)や苦しみに満ちたこの世を火炎に包まれた家にたとえた語」で、その火炎に気付かずに楽しみに興じている人が『火宅の人』という意味らしいです。
それがまさしく檀一雄自身のことなのですが。

実際読んでみたらめちゃくちゃに面白い小説でした。
私は学生時代には小説をたくさん読みましたが最近は全く読めなくなって
もっぱらノンフィクション系の本ばかり読んでいるのですが
「火宅の人」は久々に小説の面白さを堪能させてくれました。
とはいえ、この小説は檀一雄の実生活に基づいた話なので
ほぼノンフィクションということで読めたのもまた事実です。

内容は、
5人の子供を持ちながら(1人は障害で寝たきりにもかかわらず)、愛人と生活をして、旅をして、また別の女性と関係を持ち、ただただ流浪して魂を解放することだけを追求した、檀一雄自身の半生を綴った物語です。



ところどころの場面で主人公が人生や恋愛について述懐することがあり、そこが一番興味を魅かれました。人生経験を経た人が読むとより考えさせられるところがあるのではないかと思います。還暦を迎えた頃にまた読んでみたいです。


ちなみに壇ふみは檀一雄の娘ですが壇れいは檀一雄とは無関係です。

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