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column:デザインと造形 2010 年 4 月 21 日 水曜日

こんにちは 木村です。

今日はデザインと造形について書いてみたいと思います。

というのも一冊の本を読んだからです。


「小島伸吾 家具 NHK工房探訪・つくる10」 日本放送協会出版

小島伸吾氏と言えば、日本を代表する家具作家であり、この本はそんな小島氏に関する唯一と言ってもいい資料です。

私は訓練校時代にこの本を図書館で借りて読み、強い衝撃を受けました。当時は全ページをコピーして持っていましたが、最近また気になったのでネットで探して、入手することに成功しました。

あらためて家具の写真を見て、その造形の美しさに惚れ惚れとしました。

ある人は「QUEENの音楽は100メートル先からでもQUEENとわかる音楽だ」と、そのオリジナリティーを絶賛しましたが、小島伸吾氏の家具も、まさに「100メートル先からでも小島氏の家具とわかる」ほどの個性を持ち合わせています。


樺チェスト 胡桃チェスト


ウォルナットカップボード 楢カップボード、ダイニングセット


樺センターテーブル

ご覧になってわかるように、小島氏の家具は「デザイン」というより「造形」という言葉の方がふさわしいです。

まさに「家具の造形美」です。

家具を作る、という同じ仕事をしていると言うのがおこがましくなるほど、私が作る家具とは全く違いますし、素晴らしい仕事だと思います。

小島氏はその昔ジョージナカシマの家具を見て、これと同じ道を言ったらアウトだ、と思ったと書いていました。ジョージナカシマの自然をそのまま生かすセンスがとても真似できないと思ったそうです。

ジョージナカシマのコノイドベンチ

それになぞらえて言うなら、私も小島伸吾氏と同じ道をいったらアウトだという気がしました。とても太刀打ちできるとは思えません。

デザインと造形。

似ていますが、異なる言葉です。

デザインといえば、一般的には見た目の形を意味することが多いですが、本来はコンセプト、素材、その他もろもろも全て含む広い概念であり、モノ作りの全ての計画とも言えると思います。

一方造形というと文字通り形造ること、特に手で形造っていく、というニュアンスが含まれており、さらに芸術という意味合いが含まれてくる感じがします。

私は「造形」というものにも興味がありましたが、小島伸吾氏の家具を見て、自分のすすむべき道ではないと思いました。そして私が目指す道はやはり「デザイン」ではないかと気づきました。

一点もので非常に手がかかった芸術的作品のような家具ではなく、ある程度の普遍性を持ったデザインのある家具、そこを目指すべきではないかと。

将来自分がやるべきことについて、いろいろと迷う時もありますが、この軸だけはぶれずにこれからやっていきたいと思います。

他人の圧倒的な仕事に触れることで、自分の目指すべき道が明らかになる、ということがあるとは聞いていましたが、今回それを体験しました。

p.s.ただ小島氏のような家具を作ってみたいという衝動も少なからずあるので、今後その影響を受けたような家具を作るかもしれませんww

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